診断と治療
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鑑別診断がなにより大切 〜誤診をいかに減らすか〜

誤診を減らし100%に近づける

たいそうな題目になりましたけど、治療する側にとって、永遠の課題であろうと思います。人間のやる事ですから、何の仕事でも100%、万事が万事上手くいくとは限りません。

 

病院でも手術など行う場合には、何枚もの同意書を書いた経験をしている方もいると思います。更に、手術におけるリスクや成功率まで詳しく説明があると思います。テレビ番組のように「私、失敗しないので」と言い切れる医師や治療家がいたら、僕は100%信用しません。

 

ひとつの治療法にこだわらず正解に近づける

35年も、診療をしていると、色々な患者さんが来られます。

最近の小さな一例を紹介します。

 

後期高齢の方ですがまだまだ元気で、卓球も週に一回されていましたが、手の人差し指のバネ指で来院されました。痛くなってからの期間、年齢、日常生活などを考慮して、一ヶ月は保存的な治療(外科的な処置をしないということです)を開始しました。

 

通常、当院の治療で7割位の方は治癒しています。ただ、この方の場合は一ヶ月たっても全く変化がなかったので、次の選択肢としてあるブロック注射(麻酔を使った治療)をすることとしました。30年来お世話になっているA病院のA先生に、いつものように紹介状を書いて注射をしてもらったのですが、残念ながら今回は効果がありませんでした。

それならばと、次はE病院のA先生に紹介状を書いて、同じようにブロック注射を依頼しました。すると今回は一回のブロック注射でほとんどの痛みが消えました。

 

このようにひとつの治療法や先生にこだわらず、色々な選択肢を試すことは事はよくある事です。患者さんの立場になれば早く治りたい訳ですから、いろいろな選択肢を考えて実施すれば良い訳で、当然の事だと思います。

 

診断もひとつにこだわらず、見落としを防ぐことが大切

ひとつの診断にこだわらない話で言えば、高齢者の圧迫骨折(いつの間にか骨折)の見落としもよく見られます。

このような見落としも当院がしている場合もあるかもしれませんので、検査(レントゲンやMRI)が必要と感じた場合に必ず本人の同意を得て連携している病院に依頼するようにしています。このように多面的に見ることで、病名がはっきりと診断できる事もあります。

 

また、病院で検査を全部しても何も分からず、当院に来てからはっきりした診断がつく場合も少なくありません。特に肩関節の痛みや腰からお尻にかけての痛みがそうです。

 

患者さん自身も、今かかっている病院やクリニック等で病名がはっきりせず不安を抱えている場合は、他の先生に診てもらうなどの次のステップを考えた方がいいかもしれませんね。

 

野地接骨院が治療で大切にすること