病気の解説
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「座骨神経痛」の原因はレントゲンに写らないことも

座骨神経が痛む原因は別にある

座骨神経痛(ざこつしんけいつう)で来院される方のほとんどは腰痛との併発が多く、腰椎由来以外も多く見受けられます。座骨神経痛という病名は、脚の痛みやしびれの症状・状態の事を言っているのであって、最終的な診断名とはちょっと違います。

 

鑑別診断する上で大事なのは、どこが原因でこの神経痛が発症しているのかをはっきりさせるのが一番大切なところです。

 

原因をきちんと突き止めて最後に正確な鑑別診断をする事が大事なところであり、大変なところでもあります。患者さんが「脚がしびれて痛みもあるので」と言われて、脚だけの治療をするのは的外れの場合が少なくありません。

 

原因は画像に写らないこともある

このホームページでも何回も書いている事ですが、座骨神経痛の原因が腰椎由来と疑われていても、検査等ではっきりと鑑別できるのはせいぜい2割弱です。

 

もし座骨神経痛の原因が検査等においてはっきりと分かれば、原因部位をきちんと把握して治療していけばいい訳です。しかし、座骨神経痛の原因が検査等でははっきりとせずどこが原因なのかわからない場合が多いので、その方達の鑑別診断が非常に大切になってくるのです。

 

検査(レントゲンやMRI、CT)でわからない座骨神経痛だけでも少し列挙すると、仙腸関節障害上臀皮神経障害、中臀皮神経障害、梨状筋症候群、閉塞性動脈硬化症、腓骨神経障害、足根管症候群、糖尿病、膝の変性よる痛みやしびれ、などなど沢山あります。

 

要は、患者さんの臨床症状(患者さん自身が訴える痛みやしびれの事)からきちんと鑑別をして、座骨神経痛の原因を正確に見極めて治療に入って行く事が一番大切になってくるのです。

 

信頼に足る先生であれば、しばらく通院がおすすめ

私事で言わせてもらえるならば、初診の患者さんを診る時にはいろいろな疾患を想定して触診、問診をしながら原因を特定していきます。

 

しかし、最初の鑑別診断が正確とは限らない場合もあるので、次回に来院される時に最初の治療の効果がどうだったのかを聞いて治療の工程を変えることは患者さん自身のためでもあるので、躊躇なく変えていきます。

 

この疾患は怪我(外傷)と違ってはっきりとした原因が分かりにくいので、患者さんもこの先生は信頼に足る人だと思ったならば、しばらくは通ってみて様子を見てみてください。そして、どうもこの先生は信頼できるのか?とか、治療の結果が出ないのであれば次の選択肢を考えた方がいいと思いますよ…。