肩の痛みは診断が重要「肩関節のケガ・損傷」
もくじ
肩の痛みは大きく3つに分類される
肩の痛みで来院される患者さんのほとんどは、発症頻度順に「肩関節周囲炎(五十肩)」「肩腱板損傷又は断裂」「石灰腱炎」で、この3つの内のどれかに入る場合がほとんどです。中でも五十肩は半数以上を占めます。逆に、石灰腱炎の発症は稀です。
その他にも上腕二頭筋長頭腱の炎症や、上腕骨大・小結節の剥離骨折もたまに見かけますが頻度としては非常に低いです。また、頚椎(首)が原因で痛みが出ている場合もあるので鑑別をしっかりする事も大事です。
3つの肩の疾患は似ているので、鑑別診断が大切
最初に上げた3つの疾患に話を戻しますが、この3つの疾患は症状が似ているので鑑別診断をしっかりとする必要があります。私自身も開業して最初の頃は、肩の鑑別診断に少し苦労したのを覚えています。
しかし、しっかりと勉強をして、患者さんの訴えを聞いて、いくつかの臨床の検査を加味すれば、最初の鑑別診断において間違うことはまずありません。
診断は過信しすぎずじっくりと
肩の痛みで当院に最初に来られた場合、はっきりとした外傷(脱臼、骨折)以外であれば、上記の3つの疾患をまず疑って診断を絞り込んでいきます。が、ここで一番気をつけなければならない事は、自分(診る側)の判断を過信しすぎないことです。
よくあるのが、他院で五十肩と診断されて治療をしているのに痛みが取れず当院に来院され、よく診ると肩腱板損傷(断裂も含め)だったという場合です。
肩の腱板損傷・断裂の場合
肩腱板損傷の疑いがある場合、当院では必ずレントゲン及びMRIの検査を近医の非常に信頼できる先生に依頼して、腱板が切れていないか部分断裂なのかをはっきりさせた上で治療を開始する事がよくあります。
肩腱板断裂でも、患者さんの年齢、職業、どうしたいのか希望を伺った上で手術をするか、それとも時間は少し長くなりますが保存的に治療していくかを決めてもらいます。当然、手術と保存的治療のメリット・デメリットの説明をした上でです。どちらも一長一短ありますが、結果は良好です。
五十肩の場合
五十肩の場合も、重症度によって治療期間の長さは違ってきますが、結果は良好です。
石灰腱炎の場合
最後に石灰腱炎の場合です。この3つの中でも罹患率は非常に低いのですが、安静にしていても激痛を訴える方がおられるので、病院での治療(患部へのブロック注射と痛み止めの薬)とタイアップしていく場合もあります。
肩の痛みは、とにかく鑑別診断が大切です
肩部の治療は最初の鑑別診断が大切です。肩の違和感や痛みがある場合は、お気軽に野地接骨院までいらしてください。