手・ひじの痛み
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手先の痺れは幼少期の骨折が原因!?「遅発性尺骨神経麻痺」

幼少期の骨折が原因

原因のほとんどは、子供の時の怪我が犯人です。なかでも一番多いのが上腕骨外顆骨折(ひじのすぐ上あたりの骨折)で、その後遺症です。

 

尺骨神経麻痺(しゃっこつしんけいまひ)は稀に診る疾患ですが、「遅発性」と云う条件が付くと問診が非常に大事になって来ます。子供の時の怪我で症状が出るのが数十年後ですから、見逃さないようにしないといけません。

 

遅発性尺骨神経麻痺の主な症状

主な症状は以下のようなものがあります。

  • 薬指~小指のしびれ
  • 指の間の筋肉が痩せてくる
  • 親指が閉じられなくなる
  • 指先が自然に曲がってくる

 

また、親指と人差し指を閉じる筋肉が麻痺するので指を閉じる力が弱くなります。さらに、薬指と小指が勝手に曲がるような感じになります。「かぎゆび」ともいいます。肘部管症候群の症状とほとんど同じことも特徴的です。

 

肘で指に伸びる神経が引っ張られることで発症

これらの原因は、骨折が治る過程で起こる『外反肘』です。

 

人間の肘は通常、外側に15度ほど外側に曲がっています(外反)。しかし、肘の外反角度が大きくなると、肘の小指側を通る尺骨神経が引っ張られた状態になり、手先にかけての神経障害を起こしてしまいます。

 

触診はもちろん問診も大切

患者さん自身も子供の頃の怪我が原因とは分かる筈もないので、問診においても怪我のことを自分から言ない場合がほとんどだと思われます。(逆に診る側においても、見逃してしまう場合もあります。)

 

診断が確定したら、患部に対して温熱療法やストレッチ、マッサージ等を行い、超音波やマイクロ波を使った治療を加味する場合もあります。また当院では、近医の先生による投薬やブロック注射等と並行して治療を続けていく場合もあります。非常に稀ですが、重傷の場合には手術を選択せざる負えない場合もあります。

 

手のしびれなど違和感を感じたら、まずはお気軽にいらしてください。