レントゲンやCTに写らない腰痛症
やっと腰痛学会でも取り上げられるように
2013年11月1〜2日の二日間、東海大学の持田教授が責任者となり、今年の腰痛学会が東京において開催されました。一つ一つの演題のに内容は詳しく分かりませんが、過去の論文の発表から比べると、私が今、臨床で力を入れている「仙腸関節障害」や「上臀皮神経障害」の発表がかなりのドクターからなされていたことです。
正直、非常に嬉しく思っています。数年前までは、画像に映らない腰痛や臀部痛は見向きもされませんでした。しかし、手術は何の問題もなく終わっているのに腰の痛みは楽になったが臀部の痛みが取れないとか、逆に痛みが強くなったとか、ソケイ部または下腹部の痛みが術後しばらくしてから出て来たなど、術者からすれば非常に悩ましい現実が非常に多いのです。
腰痛の85%は診断がつかない
かなり前にNHKの健康番組でも言っていましたが、腰痛の85%は原因がわからないのです。患者さんを診る立場から言わせてもらうなら、原因がはっきりしている患者さんは非常にラッキーと言えるかも知れません。
しかし、その15%のラッキーな患者さんもMR、CT等の画像診断と症状が100%一致するとは限りません。画像診断では誰が診てもひどいヘルニアの画像があるのになんともない方もおられるし、その逆の場合もあります。MR、CT等の画期的な機器のポテンシャルに頼りすぎた感があるのです。 自分自身も非常に反省をしなきゃいかんと思っております。
要は、これらの素晴らしい機器も一つのツールとして診る側の立場の人間が使いこなせるどうかなのです。これは今の世の中、何に対しても言えることだと思います。
画像に頼りすぎない診断を
まとまりのない文章になりましたが、 「仙腸関節障害」「上臀皮神経障害」という疾患は、画像では診断がつかないために今までは置き去りにされて来たのですが、非常に稀な疾患ではない事が一部の先生方の努力によりはっきりしてきました。私自身も患者さんを診ていて、はっきりと腰椎由来の痛みではなく仙腸関節障害から来る患者さんがこれほど多いとは思いませんでした。
今後は、これらの事も視野に入れて診療をしていく事が非常に大事になっていくのは間違いないと思っております。