指の第1関節が変形して痛い「ヘバーデン結節」
更年期の女性に発症することがほとんど
最初に言っておくと、60代・男性の私がこの疾患になってしまったのです。
今まで何人ものこの疾患にかかった患者さんを診て来ましたが、全てが女性の方でした。女性で更年期や閉経後に発症する場合がほとんどです。しかし、はっきりとした原因は未だにわかっていません。
日本医科大学の元教授で、今はペインクリニックを開業なされている先生にも聞いてみたのですが、その先生も「男性の患者さんは見たことないなぁ」とおっしゃってました。でも、そんなこともあるのですね。
症状や変形は個人差が大きい
この疾患は治る期間や痛みの度合い、変形の度合いも人それぞれです。診る側としても、この治療をすればこの期間で絶対に治るよ!とは軽々しく言えません。もしそういう治療者がいれば、一度お目にかかりたいくらいです。
症状は指の第一関節に発症して、腫れとともに痛みも出てきます。(ちなみに第二関節に発症した場合はブシャール結節といいます。)痛みの度合いも人それぞれで、痛みの強い人には保存的治療と痛み止めを併用する場合もあります。
3ヶ月前後をめどにした治療を行います
当院では、腫れや痛みが強い場合は必ず最初は冷却を基本として、テーピングを併用して治療を開始して行きます。そして、痛み、腫れが治まってくれば温熱療法を中心に切り替えて行きます。
期間は患者さんによりまちまちですが、3ヵ月前後をめどにしてやっていきます。これらの治療により、8割位の患者さんは全快とはいかなくても寛解状態にはなっていきます。残りの2割の患者さんの中でも痛みが強い方には、ブロックの注射を薦める場合もあります。
また、最後の手段として手術という方法もありますが、これには賛否両論あります。いずれにしても、患者さん本人の希望や生活なども考慮してきながら治療を進めていきます。
指の痛み・違和感が気になるときは気軽にいらしてください。