手・ひじの痛み
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薬指や小指が痺れて伸ばせない「肘部管症候群」とは

しびれや握力低下で手が変形することも

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)をひとことで言うと、尺骨神経が肘の部分(肘部管)で何らかの圧迫を受けて起こる末梢神経障害です。

 

尺骨神経は指先まで通っているため、指に症状が現れます。症状としては薬指の小指側と、小指の手のひら・手の甲の外側にしびれや感覚鈍麻などの異常感覚です。この神経障害が進行すると筋力低下が出現します。握力も低下をして「鷲手変形」といって指を伸ばす事が出来なくなります。

 

男性に多く発症する

少し専門的になりますが、腕のしびれを主訴とする疾患で頸椎由来の病変を除くなら、手根管症候群の次に多い疾患です。

 

ある治験例では、手根管85%、肘部管12%、ギヨン管0.5%で、女性が多い手根管に比べて肘部管は女性より男性が3倍多いと報告されています。(※日本医科大学・脳神経外科の森本先生の論文を参考にさせていただきました。)

 

他の疾患と区別することが大切

診断としては「頸椎疾患」「ギヨン管症候群」「胸郭出口症候群」など、他の病変との鑑別診断も非常に重要になってきます。また、レントゲンやMRI、エコー等に肘関節の変形やその度合い、ガングリオンなどの病変がないかの確認も大事です。

 

さらにこれらの疾患と合併している場合もあるので、最終的に手術になったとしても、主治医の先生から前もって説明を受けていれば安心の度合いが違ってくるので非常に大切です。

 

当院での治療方法

当院における治療としては、しびれのみで筋力低下や筋萎縮が認められない場合は、トリガーポイント(痛む箇所)を中心に治療をはじめていきます。

 

それと同時に日常生活における肘関節の使い方、寝る時の姿勢なども非常に大事なので治療と同時にやってもらうように説明させてもらいます。 寝る時には装具を付ける場合もあります。

 

重症度にあった治療を

しびれや痛みの場合は、この治療にて改善が得られる場合が多いです。それでもしびれ等が残る場合には、病院等との連携に置いて薬物療法を併用していく場合もあります。(非オピノイド系やリリカ、トラムセット等などの薬)

 

また、症状が重傷で保存的治療が無効の場合には手術が必要な場合もあります。しかし、手術は最後の最後の手段ですので、保存的治療を(長くかかる場合は6ヵ月)まずは頑張ってみてください。手術になった場合においても、肘部管は1ヶ所だけの神経拘束ではなく最低でも5ヶ所の拘束部位があるので、病院、及びドクター選びも非常に大事なところと思います。

 

手の薬指、小指に違和感を感じたら、気軽に野地接骨院までいらしてください。