本当に椎間板ヘルニア?慎重な診察が大切です
ヘルニアといえば分かりやすいから…?
最近と言ってもかなり前からかも知れませんが、テレビの腰痛特集などで「僕もヘルニアで」とか「私も病院でヘルニアと言われました」と言っている芸能人をよくみかけます。本人(芸能人)は病気に関して素人なので何の疑いも無く言っているのでしょうが、それほど「ヘルニア」(脱腸は別にして)という病名がポピュラーになってしまっているのでしょうね…。
しかし、僕から診たら安易に使い過ぎちゃいませんか?と言いたいところです。患者さんには何の責任も無いのですが、診る側が無責任に「あなたは椎間板ヘルニアですよ…。」と病名を無理やりこじつけている場合が非常に多いと推察されます。
触診もせずにヘルニアと診断されることも
頚椎でも腰椎でも一緒ですが、レントゲンを撮って椎間板部分が狭くなっていれば、臨床的な検査(触診など)もあまりせずに診断を下している場合がかなり見受けられます。更に、MRIで少しでも椎間板部分が黒く変色したり膨隆してたりすると、「原因はこの椎間板部分に間違いありません」と診断を下されている場合がかなり多いと感じます。
患者さん側も診断が下された事で、変に安心するのですよね。痛みがあって診察を受けに来ているのに、診断もつかずに返されると患者さん本人は不安に陥りますからね…。
慎重に診察することが大切
しかし、腰から臀部、脚にかけての痛みやしびれの症状はいろいろな原因があり、いくつかの原因が絡み合っている場合も多いです。診る側の立場から言わせてもらえれば、慎重にかつ根気よく診ていかなければいけない疾患の一つです。
最後に、「一発で腰痛がよくなる」とか「この体操で腰痛解消」などの人気取り、誇大広告などにはくれぐれも気をつけましょう。